Saturday, September 25, 2004

水谷修先生、高校退職

水谷先生、高校教師を辞職へ[毎日interactive]

圏外からの一言」および「北沢かえるの働けば自由になる日記」経由。

 何でも9月8日の記事だそうで、気付くまでにはしばらく時間を要した。


 私はこの先生をテレビや書籍といったメディアを通してしか知らないけれども、一日3時間の睡眠で、繁華街の夜回りをし、さらに定時制高校の教員という定職を続けていらっしゃると言うことで、正直いろいろな意味で「この人、大丈夫なのかなあ」と思っていた。

 毎日新聞の記事で自ら語られているところを読むと、あまりのハードワークで体を壊されていると言うこと。メディアで活動が広まるにつれ、全国津々浦々から四六時中電話がかかってくるわけで、年齢的にもいつまで持ちこたえられるのだろうか、と思っていた。

 また、もう一つ述べられているように、水谷先生のような存在というのは、とかく教職員側の目から見ると邪魔に見えるはずだ。教育委員会からも圧力がかかったらしいが、おそらく同僚からもあまり受けは良くなかったんじゃ無かろうか。これは完全に私の推測であるが。

 先日にも少し触れたが、ある奇特な善意を持った人の行動が、ともすると組織全体の維持を中心に据えた視点から見ると、必ずしも善意に見えないことがある。積もり積もったものが、ある時点において、その個人を組織から抜けさせることを余儀なくさせる。

 こういった構図は、どこにでもあるものだろう。

 少し「小賢しい」ヤツならば、とっとと「NPO法人・夜回りを進める教職員の会」でも設立して、そこの会長に納まるところだろう。「水谷には同僚に対するコミュニケーション能力と協調性が欠けていた」とか言って。

 最後まで誰と連むわけでもなく、たった一人で戦い続けたその姿には、果たして自分につべこべ言わずに彼と同じ事が出来るだろうか、と考えさせるものがあった。

 だが、是非この機会にゆっくり休養して、仲間を集め、体勢を立て直して復活して欲しい。私は切にそう思う。


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「ペスタロッチは優れた教育者であった」を真としても、「教育によってペスタロッチをつくることが出来る」は必ずしも真ではない。それが教育というものの限界である。

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