Thursday, September 02, 2004

小泉総理、北方領土視察

朝日毎日読売産経童心

 6年前からこの問題に対する私の見解は一致している。

 「ガタガタ言ってないで早く攻め取れ」。

 現代を生きる北海道民としての意見を言う。元々、北方領土という「土地」に価値など無い。沖ノ鳥島と同じ、漁業権を確保するだけの意義しかない島である。必ず北方領土問題を口にすると必ず「元島民」のノスタルジーが語られるが、それを言い出したら「元満州人」のノスタルジーも同様に語られねばなるまい。


 ここでは逆に、もし「北方領土返還」が実現してしまったときのことを考えよう。

 現在も、根室やオホーツク地方の開発は進んでいるとは言い難い。日本の中央政府にとっても、道東というのは価値を認めがたい場所なのであろう。鈴木宗男氏のような国会議員が活躍できたのも、そういう事情があるからである。

 新しくできた北方領土に、多額の開発費用を投入する意味も必要もない。そんなところに住んでみよう、と言う人も奇特だろう。だが、国土である以上は管理をせねばならない。すなわち、警察署や自衛隊の駐屯地と言ったものを設営する必要が生じる。そして、北方領土の存在意義はただそこにある、と言った状況が生じるだろう。

 つまり、最もロシアに近い軍事基地が出来る。

 あるいは、日本に返還された刹那、たとえば普天間飛行場の代替地として「歯舞飛行場」を米軍に提供する、と言った事も考えられる。紛れもない「日本の国土」であるからロシアには口出しされない。また、付近に元々日本の住民もいないのだから騒音問題などハナから存在しない。元々利用価値のない土地なのだから、これは実に魅力的な選択枝である。


 単純な背理法だが、だから絶対にロシアが島四つを返すわけが無いのである。そんなことは歴代日本政府も、旧ソ連政府も、ロシア政府も分かり切っているのである。分かり切っていることにもかかわらず、これがあたかも実現し得るような話としてまともに取り上げるマスコミも理解できない。何かから国民の目をそらせようとしているのがあからさまなのである。


 本当に「北方領土が日本固有の領土である」と自信を持って言い切れるのであれば、今この瞬間にでも自衛隊の実力を持って、それを確保すればよい。それは自衛隊の設立目的に何ら反するところはないのである。

 「ガタガタ言ってないで早く攻め取れ」の後段。「国民が命を賭して守る覚悟のない土地を、もはや領土と呼ぶべきではない」。私の真意はそこなのである。

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