Friday, September 17, 2004

概日リズム

 動物には生まれもったリズムというものがある。それは概日リズム(サーカディアンリズム)とも呼ばれ、睡眠やホルモン分泌、血圧コントロールなどにも周期性を齎している。

 人間の場合この概日リズムは約25時間周期で構成されているといわれている。地球の自転周期である24時間と、1時間のずれが生じているため、人間には広い範囲の移動が可能なのだ、という説がある。

 前置が長くなったが、私の場合ストレスがかかるとこの概日リズムが大きく狂う。大事なイベントのある日の前夜から朝まで、まず眠ることが出来ない。それでも、朝からもう12時間くらいは何とかレベルを落とさず活動が出来る。だが、次の12時間は睡眠に当てなければならない。ほとんど思考停止に陥る。
 つまり、36時間活動+12時間睡眠という48時間の概日リズムが形成されているわけで、これはこれで個人的に「きつさ」を覚えない生活スタイルである。

 大事なのは、「こういうプレッシャーのかかる日の晩にはよく眠ることが出来ないが、それでも何とかベスト状態の8割の力を発揮することが出来る」という自分の特質を知ることである。それはつまり、「眠れなかったからといって大失敗が起こるわけではない」という、本番の落ち着きを得る意味と、「2割の力が出せないとしても、目的を達成できるように力をつける」ことを普段から心がける意味がある。

 昔、ある大事な日の前に、非常な雑音が入り、その日は全く眠ることが出来なかったことがある。まだ経験の少なかった時分でもあり、結局その日のイベントは思ったような成績を残すことが出来なかったのであるが、今では結局それも、「その日」に至るまでのプロセスに不備があったのあろう、と受け止めている。

 だからといってはなんだが、あまりに恵まれすぎた、静かな環境で訓練を積むことには、恐怖にも似た違和感を禁じ得ないのだ。

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