Friday, August 20, 2004

お盆休み中のニュース(2)

F2戦闘機、調達中止へ…高価で性能不足[Yomiuri Online]

だから言ったろう。グリペン買え、グリペン。

 で話は終わってしまうのだが、実際軍オタ系のblogを拝見すると、F/A18スーパーホーネットが有力と見る声が大きい。だめだそんなの。ホーネットは艦載機なんだから、ついでに空母まで欲しくなってしまうではないか。

 そもそも調達中止となったF2の原型は、F-16である。そもそもF-16の設計思想は、「F-15が1機買える予算で2機買える」安くて小型軽量な戦闘機である。それがいつの間にか、大型戦闘機のF-15より高い値段になってしまったわけで、そんなモン買ってられるか、というのは実に率直な感想である。ちなみに現在F-15を装備しているのは、米国・サウジアラビア・イスラエル・日本の4カ国だけである。他の国には高すぎて買えないのである。

 F-16の原型初飛行は1979年。開発はジェネラル・ダイナミクスであったが、同社は93年に航空機部門をロッキード社に売却。ここに新生ロッキード・マーチン社が誕生する。ちなみに現在もジェネラル・ダイナミクスはM2ブラッドレイ歩兵戦闘車等を主力商品に、軍事産業の中心の座を維持している。
 時同じくして、我が国では次期支援戦闘機FSX:Fighter Suppot X計画が持ち上がる。
 当時三菱重工を中心とする「純国産」の開発方針であったが、米国から強烈な横やりが入り、F-16ベースで開発が進められることになる。
 新型F-2の形が見え始めてきた頃、今度は米国議会から「F-16のような新鋭機の技術を日本に譲渡すべきでない」というクレームが付く。日本側が開発の過程で得られた新技術は原則として米国にそのまま供与、というある意味屈辱的な契約条件を結ぶことで、何とか開発は続けられてきた。
 しかし、原型初飛行を終えたF-2に、飛行中主翼に亀裂が入るというおよそ航空機としては致命的な欠陥が判明。主翼部分の補強など付け焼き刃な設計変更がなされたが、本来は材料工学の段階から見直すべき問題であった。

 価格の面から考えれば、陸上自衛隊の小銃(1丁35万円)だって、ロシア製(AK-47:工場出荷で1万5千円。東京マルイの電動ガンより安い。)にした方がいい。
 本当に開発単価を安くしたいならば、日本の工業力で大量生産して第三国に売りさばけばいいのだが・・・?

 どうも最近本気でそういうことをお考えになる方がいらっしゃるようだが、「日本のつくる武器は果たして売れるか?」という問題はまた次回に回す。

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