Thursday, November 11, 2004

漠然とした「態度」でクビにできるか

「笑顔ない」理由に解雇は無効[asahi.com]

 女性は98年から、入院患者の身の回り世話する介護員として、1年の雇用契約の更新を続け4年3カ月間働いていた。ところが、02年6月、病院側から「笑顔がない」「不満そうなオーラが出ている」などを理由に、契約の更新を拒否された。


 医師国家試験には禁忌肢というものがあり、3日間の試験日程中で出題されるたくさんの問題の中から、「やってはいけない」選択枝を2つ(問題数ではなく、選択枝数だ)選ぶと、たとえそのほかの問題がすべて正解であったとしても問答無用で不合格になる。

 近年の国家試験では「笑顔がない」とか、「患者に対する態度がデカい」とか、態度を問題にする選択枝に禁忌肢がある、といわれている。去年の問題では、「私は外科の専門医だから安心して手術を受けるように、と強く説得する」が禁忌であった、とささやかれている。(数年前から問題文・解答が非公開になったので、実のところ厳密な基準はわからない。)

 教官たちから「医学生たるもの、態度に留意するように」(・・・教授になればまあ何やってもいいのだろうが)と日頃やかましく言われ、試験までやらされた身からすると、意外な判決ではある。

 それこそOSCEの時には、あらかじめ講義で「にこやかな笑顔を患者に向けるように注意せよ」と言われていたのに、本当の試験で実際そのようにしたら、「患者の前でニヤけながら診察するな!」と減点を食らった仲間もいたようで、こういったものをどう評価するかというのは、裁判長の言うとおり「主観」の問題だろうと思う。

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 もっともここの病院名で検索すると、雇用関係を巡って過去にも何度か訴訟があったらしい。今回もそのシリーズの一つなのだろうか。

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