Wednesday, November 10, 2004

存在感を示す

陸自、4万人減に猛反発 財務、防衛の攻防本格化[河北新報]
空自戦闘機300から216機に 財務省の削減案に防衛庁が強く反発[Yahoo! 産経新聞]
装備費削減めぐり過熱/攻める財務省、守る防衛庁[東奥日報]

不審潜水艦:沖縄・先島の領海内潜航 海上警備行動を発令[毎日MSN]

 財務省は防衛予算を削りたくて削りたくて仕方がないようだ。だが、忘れてならない点が一つだけある。

 軍隊は、その存在価値を示すためなら、いつだって戦争を「作れる」のだ。それは歴史が証明している。

 あくまでもこれは仮定の話だが、航空自衛隊が発足して以来、スクランブル(緊急発進)の回数は19,000回を超えている。もしこのうちの一回でも、「電気系統のトラブルにより」自衛隊機がミサイルを発射していたらどうなったか?

 これまでも中国の潜水艦ぐらいはちょくちょく領海を侵犯していたが、あえて政治的判断で行動を起こさなかっただけなのではないか。そういう「ネタ」は自衛隊としていくつか把握しているものがあって、出すべき時に出してきているだけなのではないか。

 そう考えることもできる、というだけの話だが。

 防衛予算は、文民的思考しか持たない人から見ると無駄の固まりであり、いくら削ってもいいところに見えるのだろう。だが、軍隊というのは国家を転覆しうるほどの「実力」を持った集団であり、それをいかに文民政府が使いこなすか、という問題は現代国家における最大のテーマである。

 「文民統制」を厳格に法で定めているアメリカ合衆国にしても、実際は軍産複合体が合法的なやり方で政治に強く干渉しているのは、皆のよく知るところである。

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