久方ぶりに心の琴線に触れるものを見た。
スウェーデンが誇る最新鋭戦闘機、JAS39 グリペンの公式サイトである。
私は前々から(つまり、先代のJ35 ドラケンやJ37 ビゲンの時代から)この戦闘機には注目していたのだが、ここを見て以来、せめて航空自衛隊は千歳基地だけでもグリペンでを採用した方が良いのではないか、と考えてしまった。
何と言ってもサイトの至れり尽くせりなこと。そもそも兵器の公式サイトというのは、それを購入する主体である国民が見て楽しいもので無ければ、と改めて感じさせられた。
サイトにアクセスしたら、左のメニューから"Gripen Images"を選択してみよう。
現れたプルダウン・メニューから"Hungary" "South africa" "Checz Republic"などを選ぶと、その国の戦闘機購入責任者の顔写真が拝見できる。何て顧客を大事にする企業なんだ、ボルボ社。もし小金が出来たなら、買う車は絶対ベンツなんかじゃなくてSAABかボルボにしよう、とこれだけで思ってしまう。
また、様々な状況でのグリペンの写真がおいてあるが、よく見るとポップアップウィンドウに"Add to cart"なんてボタンが付いている。さては、お金を払うと、はるばるスウェーデンからカール・グスタフ国王のサイン入りポストカードかなんか届く企画なのか、と考えてみた。
だが、実際にやってみるとわかるが、カートに加えて後でダウンロードすると、ただでさえ容量の大きい高画質写真を、サーバー側で一括して圧縮したZIPファイルとして送ってくれるのだ。
なんてすばらしい発想の国家なんだ、スウェーデン。こういう国なら消費税40%でも文句言わん。
さて、右側に目を移して”Video Collection”をクリックしてみよう。Mpeg 37MBとかいろいろあるが、各々の回線状況と好みに応じて落とせばいいだろう。再生してみる。
なんだこれは、エース●ンバットのプロモーションビデオか。
厳寒の基地から離陸したグリペンが、上空で敵(らしき)航空機を撃墜し、(おそらく敵の)戦車を破壊し、(逃げようとしているように見える)艦船を粉々にする。
まさに墜としてよし、燃やしてよし、沈めてよしと、MRF(Multi Role Fighter)として三拍子そろったグリペンの魅力を存分に表現している。
いいじゃないか。グリペンさえあればRPG-7ごときで武装した北朝鮮の不審船なんぞ100隻来ても全部ドボンだ。
エンディングには、「グリペン、それはあなたの国のつばさ。」思わず涙が出てきてしまった。もう買うしか無いでしょう。セットでいくらなんですか、たかた社長。
そんな気分にさせられてしまうが、さすがABBAを生んだスウェーデン。ビデオ中にずっと流れるサウンドトラック(2MB)がついでにMP3形式で落とせてしまうので、こちらも忘れずにゲットしておこう。
そうそう、グリペン・スクリーンセーバーも忘れずに。
最後に、グリペンという戦闘機はスウェーデンの永世中立国としての「専守防衛」思想が生んだ最高傑作機である。フル武装で700m滑走距離があれば離陸できる、対地・対艦・空対空の全ての目的で運用可能である、全幅が小振りでそこら辺のトンネルに余裕で隠せてしまう、元々雪国で開発されたので悪天候に強い、という条件をそろえた、まさに北海道向きの戦闘機なのである。まあ、そもそも北海道にはすぐに滑走路として使える日本最長の直線道路があるのだが。
もしも本当に石破防衛庁長官がマニアであるならば、アメリカに押しつけられたF2支援戦闘機なんか速攻でキャンセルして、空自の新規調達は全機グリペンにするはずなのである。これだけでも奴が、えせオタクだと言うことは見え見えだ。
しかも、F2の前には「ミツビシ」がつく。元々F2は米国ジェネラル・ダイナミクス(1993よりロッキード・マーチン)が開発したF-16がベースの機体なのだが、日本ではあの三菱が生産している。トラックやミニバンなら突然炎上しても放って逃げ出せばいいが、戦闘機が空中で炎上したらどうなる。そんなもん信頼できるか。
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しかし、一連のコトが起こる前には、「戦闘機を作っている会社だから信頼できる」と言って三菱車を愛用していたユーザーが相当数いたのである。
ちりん師もその一人であったことは、ここだけの秘密である。これを機会に、是非SAABに乗り換えた姿が見たいものである。
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