今更ここで言うまでもなく「秀丸」はWindowsエディタの代表格である。
(レジストするとしないとに関わらず)テキストファイルをダブルクリックするとこれが開く、という設定で使っているユーザーも多いだろう。
しかし、正直に言うが、これの正しい使い方がわかるようになってきたのはここ数ヶ月のことである。それまでは、主にたとえば文字コードを変更したり、IEからソースを表示させたりといった用途に使っていた。
逆説的な言い方になるが、初心者でもある程度の機能をきちんと使いこなすことが出来る、という造りのソフトウェアは実にできがいいといえる。
なおかつ、そのソフトウェアに熟達して来るに従って、より短時間、より少ない入力量(タイプ数、マウスポインタ移動距離)で作業が完了できるようになる、というのはさらに優れたソフトウェアの証である。
さて、「秀丸」にはマクロという機能がある。
これは、ある簡単なプログラムを「秀丸」上で実行可能である、ということで、たとえば1,2,3,4,・・・・・・・・・,100000といった数列を実際に書かせると言ったような事が簡単に出来る。(そんなプログラムは対して役に立たないが)
つまり、繰り返し、条件分岐といった一応のプログラミング言語が備えている事を、「秀丸」のマクロ言語は備えているのである。
(ただし、普通の秀丸では浮動小数点演算が出来ないため,1/3*3=0のようなことが起こりえる。)
また、最近発表されたHidemarnet Explorer(仮称)は大変気に入ったソフトの一つである。これは、「秀丸」にFTP機能を付加するためのツールである。
今までサーバー上のファイルを書き換えるときは、
1.FTPでそのファイルをローカルにダウンロードする
2.ローカルマシン上で「秀丸」などのファイルを開く。
3.編集したファイルをローカルに上書き保存する。
4.書き換えたファイルを再びFTPでリモートホストにアップロードする。
といった手順を踏む必要があった。当然、FTPソフトウェアが別途必要となり、またウィンドウの切り替えの手間、そしてファイルを「上げ下げ」する手間が結構うっとうしい。
Hidemarnet Explorerではこうなる。
1.「ファイル」→「Web」→「FTPで開く」を選び、リモートホストに接続。
2.リモートホスト上のファイルを開く。(バックグラウンドでダウンロードされる)
3.そのまま「上書き保存」すれば、リモートホスト上のファイルに反映される。
となり、大幅に手間が簡略化される。
今のところ、安定版の4.07にインストールすることは出来ないが(開発版秀丸エディタ Ver4.10β14 以上が必要)、ベータ版に手を出してもインストールする価値があるといえよう。
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何でこんな事を書く気になったかといえば、巷にあふれる「電子カルテ」のインターフェースがもっぱらGUI、つまりはほとんどマウスのみを使って入力する方式になっている。
この方式は一見初心者にも取っつきやすいように見えるが、スタッフがいい加減電子カルテに慣れて来た頃になっても、作業効率が上昇しないという罠がある。
まさか電子カルテ・処方オーダーにコマンドラインを導入して、
harrity@ekarte# chart -S "abdominal pain" -O "abdomen soft,afeblire" -A "DD=gastritis,gastric ucler,and so on" -P "endoscopy on JULY 20"
harrity@ekarte# prescribe cimetidine --dose=800mg --div=2 --days=7
[カルテに 「S)腹痛、O)腹部柔、発熱なし、A)鑑別診断は胃炎か胃潰瘍など、P)7月20日に内視鏡実施予定」と記入]
[処方:シメチジン800mg、分2、7日分]
注意:こんないい加減なカルテを書く人はいません
で済ませられるようにせよ、とは言わないが、せめて熟達度が作業効率に比例するようなシステム作りはお願いしたいものである。
それとも、あの人をいらいらさせるような煩雑さは、いわゆる医療事故のフェイルセーフになり得ているのだろうか?
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