Tuesday, February 10, 2004

似て異なるもの

岡山の温泉旅館、盲ろう団体の宿泊を拒否[Yomiuri On Line]
盲ろう者宿泊拒否で旅館組合などを指導 岡山県[asahi.com]

このニュースと

宿泊拒否のアイスター、学生の抗議文をHPに掲載[asahi.com]

 こちらの会社では、一見似た様なことを言っているようだが、中身にはずいぶんな違いがある様に思える。

 前者、岡山の温泉旅館は「宿泊する客の安全を考えたとき、責任を持ちかねるために宿泊をお断りする」という誠実な態度であり、言ってみれば「確かに世間での評判はいいが、私は整形外科の専門なので、いくらあなたの希望とはいえ心臓の弁を換えてくれと言われても責任を持ちかねる」というのと同じことだ。

 実際バリアフリーといえば聞こえはいいが、ひなびた温泉旅館に手すりをつける工事を実施する費用や、案内の人員を増やす人件費など、お金を岡山県が出してくれるわけではない。今回の様になにか「まずい」ことがあった時にだけ、ただ指導を行うのである。

 旅館側にしてみれば、ろくに準備もできていないのにお客を受け入れることのリスクと、報道されたり、指導が入ったりすることによって名前が傷つくリスクを、はかりにかけた上で今回の行動に至ったものだろう。それにしたって後者のリスクの方が明らかに重そうに見えて、かえって旅館の対応が私には誠実に思える。

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