Thursday, April 18, 2002

いわゆるひとつのチュートリアル

PBL、という科目ができた。
 Problem Based Lerningの略のようだが、要するにこれは岐阜大学からはじまった「チュートリアル」教育の一つであろう。
 具体的に何をするのか。
 きわめておおざっぱに言えば、グループ(臨床の教官一名を含む)で、一枚の紙片に書いてある仮想患者について議論するのである。我々の例でいくと、こうなる(といっても、一学年全部内容は同じようだが)
 「患者さんは51歳の男性で小泉俊一郎さんといいます。背中の重苦しさが続いていると言うことで本日外来を受診されました。IT関連の会社にお勤めの方で、会社では人事担当として、リストラの問題を抱え、最近は特にとてもストレスの多い状態で、朝方までよく眠られない日も時々あるということです。・・・(以下続く)」
 岐阜大学では成功しているらしいが、どうも我々のチームではうまく議論が噛み合わない。何を調べれば良いのか、と言った基本的なことはともかくとして、どうも発言することを良しとしないクラシカルな雰囲気がただよっているのが大きな問題だと思われる。
 ブレインストーミング、と言う方法がある。情報処理技術者の国家試験にも出たりする議論の進め方の一方法だが、とにかくどんなバカな意見でもいいから、思い付いたことはどんどん口に出していくのである。それに対して、他者が批判することは禁止される。この方法では、たくさんのアイデアを生む反面、その質には疑問が生じる。
 従って、「ディベート」という「相手を打ち負かすこと」に主眼をおいた議論法がしばしば併用される。自らの個人的意見や感情とは関係無しに、与えられた立場にたっての弁護を徹底的に展開する。
 欧米では、既に中学・高校の段階でこのような議論方法は教授され、大学教育の段階においてはより発展的な「交渉術」が教えられているという。
 案外、日本の外交が弱いのもここらへんに原因があるのかもしれない。

P.S.この「ことえり」、なかなか変換精度がいい。気に入った。

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