本日、前もって注文しておいたメーラーが郵便できた。
Justsystemの、shuriken Pro 3。
結構楽しみにしていた新機能に、メールの「暗号化」がある。
そもそも、電子メールは他人が簡単に読むことができる、葉書のようなものだ。従って、第三者に読まれたくない内容のものは、電子メールで送るべきではない。
しかしながら、PGP(あるいは、GNUバージョンのGPG)というものを知って以来、この「暗号」というものに興味を持つようになった。(いろいろなものに興味を持つようになるおかげで、成績はさっぱり、である。この種の人間が、私を含めて、周りには随分多くいることだ。)
PGPとは、Phillip Zimmermanという男の開発した「公開鍵暗号プログラム」である。現在、無償でダウンロードし、使うことができるようになっている。
公開鍵暗号、という仕組みについて、私の理解した範囲で書いておく。本格的にこの理論を学ばれたい、という賢明な方々は、数学の整数論のテキストとともに、成書を当たられたい。
公開鍵暗号、というのは、つまりこういうことだ。ここに、私宛の手紙を書こうとする人がいる。もちろん、その人自体と私は知り合いでなくてもよい。この手紙の差出人は、私専用に作られた「封筒」に手紙を入れることにする。ここでいう「封筒」というのが公開鍵である。封筒自体は、誰でも簡単に手に入れられる場所にあり、また実際は数十行の文字列(電子データ)であるので、品切れになる心配もない。
さて、私宛に来たこの封筒を、私は私専用のハサミで開封する。この「ハサミ」というのが、秘密鍵というものである。私専用に作られた封筒は、私のハサミでしか開けることができないのだ。
このPGPであるが、Zimmermanが開発してから、合衆国政府に輸出規制を食らったり、(なんとこれに対しては紙に書いたプログラムソースを国境を越えてからOCRで復元する、という方法で輸出を強行したそうだ)ニカラグア内戦の際に反政府軍の間で用いられたり、という結構オソロシく、また本格的なものである。
ただ、この暗号方式に興味を持っているネットユーザーは、まだ少ない。つまり、「封筒」の作成を行っていない人がほとんどなのだ。相手が封筒を作っていなければ、いくら私ががんばっても、仕方ない。明治や大正の時代に、村で一人だけ電話を持ってしまった名主みたいなものだ。
今のところ、PGPの鍵を公開している私の知り合いは、たった一人である。
しかしながら、先日ある新聞社のサイト(最近は禁無断転載、とうるさいので詳しく書けない)において、捜査機関が容易に犯罪を追跡できるように、プロバイダに一定期間のメールを保存するよう義務づける、という話が載っていた。
つまり、たとえるなら郵便局があなた宛の手紙を、全部コピーしてとっておく、というような話である。私はそう後ろめたいこともしていない(ハズだ)が、これはちょっと不安だ。
と、いうことで、あなたも始めてみませんか。PGP。
「パソコン」にそう詳しくないひとでも、結構簡単でしょう。
http://www.cla-ri.net/pgp/
(PGP UUser's Manual for Windows)
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